小学生の不登校 男子小学生NJ君
私は小学生は専門外ですが、ご依頼の内容によってはカウンセリングを検討することもまれにあります。
この実例は、その小学生のカウンセリングです。
NJ君が小5の夏、お母さんよりご相談を受けました。
「息子は小学5年生です。
小学4年生の春から、朝の腹痛、頭痛、気持ちが悪い、先生に会いたくない・・等と言い出し、午前中1~2時間登校し(保健室が多い)、いったん帰宅をして、また午後から1~2時間登校して・・を繰り返して過ごしていました。
(親、教師、相談員、スクールカウンセラーによる説得のもとに。)
今年度に入り担任が変わり、2ヶ月間は少々具合が悪い・・と言いながらも、何とかフルタイムで自力で登下校していたのですが、また少しずつ調子が悪くなり、一学期の後半は一日の内、午前か午後のどちらか1~2時間登校(保健室が多い)になってしまいました。
本人は友達も多く、放課後は友達と近所の公園等でいつも遊んでいます。
家では、とても元気で明るくて、賑やかすぎるくらいです。
そして、学校のことを考えると気持ちが悪くなるのは何でだろう・・と悩んでいます。
お力を貸して下さい。」
お母さんと電話でお話ししたところ、小4の春に自分の席で「もう死にたい」「誰か包丁で刺して」と言ったようです。「僕は先生の期待には応えられない」。先生とはかなり因縁があるとのこと。
さらに、小3以前はイライラしたり、学習意欲が落ち、宿題に取りかかるのに時間がかかる、朝起きるのに時間がかかる、などがありました。小3と小4は同じ担任の先生です。
そして小4の秋の学習発表会、NJ君は参加したかったが、校長先生に呼び出しを食らって、「NJ君は今回は台詞はありません。歌を歌うならOKです。足並みをそろえられない人は出せません」といわれ、泣いた、といいます。
これが教育者か。
不登校セラピーは小学生向きではないことをお母さんに正直にお話ししましたが、お母さんも私の理論と技術を信頼してくださっており、NJ君自身もカウンセリングを受ける気があるということで、比較的すんなりカウンセリングへ至りました。
しかし。
お母さんとともに現れたNJ君は、やはり不安定そうです。
最初のご挨拶をした後、NJ君自身から話を聞き出して即(数分も保たず)、苦しそうな様子を見せ、挙動がおかしくなり出します。
そして暴れ出しました。
ホテルの一室で行ったのですが、ベッドの上で身をよじる、転げ回る、枕をぶん投げる。大声を出さなかったのが唯一の救いです。
これが小学生のカウンセリングが難しい理由です。
少し様子を見ていましたが、治まる気配は一向になく、私はカウンセリング続行不可能と考えました。
そこで私はお母さんに、私の技術をお母さんにお教えして、ご自宅でカウンセリングを行っていただくことを提案。お母さんも了承されました。
お母さんは飲み込みが早く、これなら家でもできそうだ、と予感させるモノがありました。
そして初回カウンセリングから6日後。お母さんからメールをいただきました。
「新井先生へ
先日は、ご指導ありがとうございました。
早速、次の日の月曜日からトラウマのアルゴリズムで息子の記憶の処理を始めました。
記憶の処理を始めた次の日から二学期が始まりました。登校刺激はせずに様子を見ることにしました。行きたいけど気持ちが悪くて行けない日が続いています。
『気持ちが悪くなるから嫌だ!思い出したくないから封印した!』と、頑なに嫌がる息子を説得しながら今日まで、四件の記憶の処理を行いました。
『前より気持ち悪いのが減った!!』と、本人も効果を実感しているようでした。
私どもも、彼にはまだまたトラウマがありそうだなぁ~と感じていました。
実は...昨日(金曜日)は、息子の大好きな水泳教室(年二回の行事)がある日だったのですが、よほど行きたかったのか、前日よりも気持ちが悪くなってしまいまた。
今まで処理した記憶を確認してみたら、ゼロにしたはずの点数が少し戻ってしまっていました。
記憶除去の法則(古さの法則)に反しているかも知れないと思い、一番古いかも知れない...と思われる件を、気持ち悪がる息子を説得し、再度トラウマのアルゴリズムを六回行い映像をゼロにしました。
三回目あたりから、みるみる表情がよくなり、気持ち悪さがかなり軽減されたようです。
今まで、気持ちが悪くなると回復までしばらくかかっていたので、即効性があることに、とても驚きました。
効果を実感しています。
カウンセリング中に息子がしっかりと意識集中できているのか、除去の法則等は反していないか...など不安も多々ありますが、我が家のバイブル『不登校セラピー』を片手に、先生からご指導して頂いたことをよ~く思い出しながら、また根気強く続けて頑張りたいと思います!!
まだまだ暑い日が続いていますね。お身体に気を付けて下さい。先生の益々のご活躍を期待しています!
ありがとうございます。
またメールいたします。」
予想以上の成果に、私も驚きます。小学生は、親御さんにご自宅でやっていただくことが一つの標準かも知れません。
それから1週間後。
「新井先生へ
先日はアドバイスありがとうございました。
嫌がる息子を説得しながら地道にカウンセリングしております。
先週は、五年生最大の行事であります宿泊学習が火曜~水曜にありました。
少しずつ寝起きもすんなり、朝の気分も良くなり、行く気満々でしたが、玄関で固まってしまい残念ながら断念しました。
でも、その悔しかった件がキッカケとなり、真面目にカウンセリングを受けてくれる様になりました。
金曜日には、『一時間だけ行ってみる』と言い出し、夏休み明け初めて登校しました。
健康観察では"元気です"と答えたそうです。
自分から学校へ行きたいと言い出したのは久方ぶりだったので、とても嬉しかったです。
本人も"前の気分悪さに比べたら十分の一になった"と言っています。
そして、月曜日も行く!!と言っています。
今後もカウンセリングを続けながら見守りたいと思います。
新井先生のお陰です!ありがとうございます。
一つ気になる事があります。
実は、不登校のきっかけは、元担任の日常的な怒鳴り(ヒステリー)ではないか...とわかりました。
毎日毎日、怒鳴って怒っていたので、その一つ一つの場面は覚えておらず、全体として、怒鳴っている場面、備品を壊す場面、子供達が壊れた物を片付ける場面、1人づつ謝る場面...とカウンセリングを進めて行きました。
元担任の人物像の記憶も処理しました。
映像、音声、感情ともに数字をゼロにしていますが、また2日~3日すると映像が復活しています。
復活数値は、少しずつ下がっているようですが。
本人の意識の集中具合も気になりますが、この方法で間違っていないか...少し不安です。
数値が復活してしまう事はよくある事なのでしょうか!?
アドバイス等ありましたらお願い致しますm(__)m。」
このメールを見る限り、順調なようです。
しかし記憶の点数の復活は、しばしば起こり頭を悩ませる問題です。
私は次のようにご返信しました。
「いつも大変お世話になっております。
本当によく取り組んでおられますね。
感心するばかりです。
担任の記憶が復活するということですが、
原因はいくつか考えられます。
何度も復活して、かつ点数は徐々に下がっている、ということですので、次の2つが可能性として大きいのではないかと思います。
古さの法則に違反していないか
・その先生より古い人物の記憶が未処理のまま残っていないか
・その先生の記憶で、何か隠れた(明確に思い出せる)記憶はないか
全体除去の法則に違反していないか
・この先生はかなり悪質ですので、全体除去の法則を使います。
つまり個別には悪くない記憶(たとえば始業式のときに前に立っている姿や、普通にしゃべっている姿など)まで、徹底的に除去します。
それ以外にも、今まで除去した記憶が、実はシーンがいくつかに分かれている記憶で、そのうち一つしか除去していなかった、などもあります。
以上、もう一度チェックしていただけますよう、お願いいたします。」
それからさらに約1週間後。
「新井先生へ
おはようございます。
先週は、ご丁寧にアドバイスを頂きありがとうございました。
早速...と思っていましたが、純平が風邪で調子が良くなかったので、先週はカウンセリングお休みしました。
それでも以前の様な、学校に対しての気分悪さとは全く違うらしく、毎日2~3時間、保健室ではなく教室で授業を受けて来ます。
木曜日には20問漢字テストで百点満点を頂き、しかも、とても丁寧できれいな文字を書いていて、皆をビックリさせてくれました。
(説得して学校へ行かせている時の文字はヒドイものでした。)
きっと、日常の学校生活が心穏やかに過ごせているからではないか...と思い、とても嬉しく感じています。
カウンセリングは、まだまだ序盤戦の段階ですが、何事に対しても本人の意識の向上を感じられる様になっています。
先生がお力をかして下さったお陰です。ありがとうございます。
本人は、少し楽になったと思ったら『僕はもう、かなり良いからカウンセリングはしなくていいから!これくらい大丈夫!!』と言い張って困らせています。
元担任の件について、先生のアドバイスの通り、全体除去の方向で、シーンの分け方に注意して進めたいと考えております。
本日は風邪で切ないながらも、すんなりと、午前中は行ってくる!と言って行きました。
驚きました。
(今までは、月曜日は必ず固まって動けず、遅刻で保健室でした。)
元気に帰って来るのが楽しみです。
これからもお世話になります。お身体に気を付けて、益々のご活躍を期待しています。
ありがとうございます。」
なんとまあ、こんなに早く安定に再登校を開始するとは。
カウンセリングを始めてたった2週間です。
しかも記憶を除去することでこんなに体調が良くなるのです。
難しいはずの小学生のカウンセリングが、たった1回でパーフェクトな結果に終わった、希有な実例でした。
ちなみにお母さんからのメールは、毎回絵文字に満ちて、楽しいものでした。





