不登校の解決に向けて
あなたの常識は本当に正しいですか?
従来の常識の例をご紹介しましょう。
ある知り合いの男性が、心の教育に強い興味を持ち、心の修養方法を実践する会の会誌を持って私と話していました。
その会誌には、いじめで不登校になった女の子を持つお母さんが、自分の言葉や生き方を見直し、心を磨いたところ、お子さんが目覚ましく改善され、学校へ行くと言った、という記事が載っていました。
あなたはこの論調にどう思いましたか?
その記事を見て「おかしいな...」と思った私は尋ねました。
私「ところで結局この子は学校へ行ったんですか?」
男性「行きましたよ。」
私「本当ですか?"再登校しました"とは一言も書いてないですよ。」
男性「え」
男性は慌てて記事をじっくり見直して、「あ...」ともらしました。
その記事は「母親である私が心をきれいにした結果、子供が学校へ行くと言い、登校の準備をしました。親の心は大切です。ありがとうございました。」という内容で終わっていました。
そうです。その男性はとても頭の良い方なのに、記事の論調の雰囲気から先入観で「すべてうまくいったんだ」と思い込んでいたのです。
私の推測ですが、実際はこの女の子は再登校できず、今も苦しんでいるはずです。
その推測と、理由をお話しすると、その方は唖然とした表情で、うなづいておられました。
ではなぜ私はそう推測したのでしょうか?
不登校の謎を解く、「3つの因子」理論とは?
不登校には多くの謎があります。
なぜ健康体なのに動けなくなるのか?
なぜ検査では何も引っかからないのに、腹痛や不眠、昼夜逆転などの身体症状を引き起こすのか?
なぜベッドから起き上がることすら難しくなるのか?
なぜ食事がムチャクチャ、食欲がなくなっていくのか?
なぜ息をするだけで精一杯なのか?
なぜ性格が変わっていくのか?
なぜ話が通じなくなっていくのか?
なぜ人の目を気にし、外に出なくなっていくのか?
なぜ劣等感と自己嫌悪のかたまりになってしまったのか?
なぜ調子の良いときでもパソコンかゲームかケータイ以外しないのか?
これらに対して従来の心理学は、未だに納得できる答えを提示できていません。
特に謎なのが「なぜ健康体なのに動けなくなる(動こうとしなくなる)のか?」でしょう。
この謎が解けないがために、従来の専門家は迷走し、妙な説が流布してしまいました。
現在流布している不登校の原因説は、大きく分けて三系統あります。
1.「親が悪い」系統
「母親の育て方が悪い」
「母親が過保護過干渉である」
「家庭に父親不在」
「幼児期の愛情不足」
「家族関係の歪みを修正するために子供が無意識に取る行動である」
この説の問題点ですが、
・「親の育て方が悪い」とはどういうことなのか、具体性に欠けています。
・「親の育て方」と、「学校へ行けなくなってしまうこと」の間に、論理的なつながりがありません。
たとえば「母親の過干渉」と「中2の夏休み明けから腹痛を起こして学校へ行けなくなってしまったこと」を、合理的に結びつけることはできません。
・理論的根拠がありません。学術的根拠もありません。
「父親不在」「愛情不足」「家族関係の歪み」も同様に、合理性に欠けています。
2.「子供が悪い」系統
「子供が神経質である」
「子供の心が弱い」
「ストレスに弱いんだ。強くなれ」
「心が満たされていないんだ」
この説の問題点ですが、
・「心が弱い」とはどういうことなのか、具体性に欠けています。
・「心の弱さ」と、「学校へ行けなくなってしまうこと」の間に、論理的なつながりがありません。
これが正しいなら、たとえば大学卒業まで行った人はものすごく心が強い人ということになります。
・理論的根拠がありません。学術的根拠もありません。
これは自己責任論を巧妙にすり替えて、何かの原因で苦しんでいる子供を責めて、苦しみから救われる権利を奪っていると私は考えます。
3.「社会と教育が悪い」系統
不登校もいじめも学級崩壊も学校内暴力も家庭内暴力も学力低下も体力低下もしつけの問題も、ありとあらゆる問題を同一次元に論じて、「今の大人が作った日本の社会と教育が悪い」というものです。
この説の問題点ですが、
・「社会と教育が悪いこと」と「中2の夏休み明けから腹痛を起こして学校へ行けなくなってしまったこと」を、合理的に結びつけることはできません。
・困難に直面すると、民族の本質が現れます。
東日本大震災で、被災地の日本人が見せたすばらしい行動によって、この説は完全に間違っていることが証明できます。
・理論的根拠がありません。学術的根拠もありません。
これも議論が目指すべき着地点が見当違いである、と私は考えます。
この3つの説に共通するのは「思索のみで考え出された」ということです。どこかの誰かが頭の中だけで考えたのです。
論理的視点に欠ける、というのが大きな問題点でしょう。
次に、一般的な不登校対応策ですが
「エネルギー不足です」
「親の愛情が足りない(甘えさせて)」
「育て直しを」
「見守りましょう」
「怠けだ。甘やかすな」
などと言われてきました。
おそらく親御さんは誰かから一度は言われたことがあるのではないかと思います。
これらの対応ですが、不登校児が
「健康体なのに身体が動かなくなる(動こうとしなくなる)」
という、もっとも頭を悩ませる現象に対し考え出された、謝った解釈と対応です。
しかしこれらにも理論的根拠がないと私は考えています。
なぜそう言えるのか?
これらの対応では、根本的に改善できないからです。改善できないのは、原因の見立ても対応も間違っているからです。
心理学の中の「発達心理学」や「愛着理論」では、
「親の育て方(接し方)や親の心理状態が、子供の性格や社会適応力、ストレス耐性、アイデンティティー形成などに強い影響を与えること」
がわかっています。
この点に関しては私も異論はありません。
ですが、一番の過ちは、それが理論的根拠も無く不登校にまで適用されてしまったことにあります。
「子育ての問題」と「不登校の問題」を混同して、すべて同じ原因である、と考えてしまったのです。
つまり、「子供が問題を起こすときは親に原因がある。だから、学校へ行けないのも親に原因がある」というムリのある論理を立ててしまったのです。
それに対し、理論的に納得でき、かつ実効性があるのが、私が唱える「不登校の3つの因子」理論なのです。
では、なぜ過去のトラウマの記憶が不登校を引き起こすのでしょうか?
先天的な因子とはどのようなモノがあるのでしょうか?
第三因子は「不登校を直接引き起こさない」のに、なぜ「不登校の解決を著しく困難に」するのでしょうか?
特に第三因子の謎を解くには、不登校の最も厄介で奇妙な性質のひとつ、「パンドラ効果」と、「脳の記憶のメカニズム」、そして「愛着障害と社交不安障害」を知る必要があります。
「原因」と「因子」の違い
ここで、「不登校の原因」と「不登校の因子」の違いについて述べましょう。
「原因」とは、ある結果を(直接)引き起こすもと。
「因子」とは、ある結果を成り立たせる要素、要因。
交通事故を例に取りましょう。
たとえばある交通事故の原因は、「運転手の不注意」でした。
ならば、交通事故の因子は、「確認しにくい道路の構造」「交通量の多さと通行人の多さ」「運転していた車の特性」「運転手の性格」「運転手の当日の疲労具合」「日本の道路交通法の問題点」など、交通事故という結果を間接的に成立させている要素・要因が挙げられるでしょう。
わかりやすく言い換えるならば、
原因は「表の(誰にもわかりやすい)原因」と、
因子は「裏の(一見わかりにくい因果関係がある)背景」
と言えるでしょう。
全く同じではありませんが、原因は因子の中に含まれます。
これと同様に、不登校も考えることができます。
「原因」だけ追求しても、「間接的因子」だけ追求しても、どちらも片手落ちです。両方とも目を配らなければなりません。
次から、「不登校を直接引き起こす原因」と、「不登校の成立に関与している因子」を考えていきたいと思います。
正しい不登校の原因とメカニズムとは?
不登校を引き起こす直接の原因は「記憶」です。
もう少し詳しく言うと、「学校の人間関係から受けたトラウマやストレスフルな記憶」です。
具体的には、
クラスメート、先生、クラブの人間関係と顧問、塾の人間関係などから受けやすい、
・いじめ、嫌がらせ
・悪口
・仲間はずれ(ハブ)、孤立
・裏切り
・暴力、暴言
・脅し
・理不尽な仕打ち
・クラス内の対立
などの記憶が、例として挙げられます。
それら過去の記憶がどのようにして不登校を引き起こすのか、その理論的メカニズムは拙著「不登校セラピー」に詳しく述べました。
とても簡単に言うと、「トラウマとPTSDの関係」と同じです。
PTSDとは、簡単に言うと、トラウマを受けた後に発症するさまざまなストレス症候群のことです。
つまり、「学校へ行くとまたストレスを受ける」と、脳が記憶を元に判断します。
そのストレスを回避するためには、「学校へ行かせないように」しなければなりません。
学校へ行かせないために、様々な症状や不調を無意識のうちに引き起こすのです。
自己防衛本能に基づく、登校回避現象と言えるでしょう。
トラウマの記憶には毒物のような性質があり、PTSDとして次の4つの症状を引き起こすのです。
・身体症状、身体的な変化
・精神症状、精神面の変化
・知性、理性、思考力、集中力などの変化
・行動(実際に何をするか)の変化
みなさんが悩まれている「お子さんの症状や問題」は、この第一因子がほとんどの直接原因、引き金と言って差し支えありません。
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この第一因子、実は医師や臨床心理士、スクールカウンセラー、自称専門家には解決できません。
なぜか?
第一因子の本質は記憶なのに、トラウマの記憶に対して適切にアプローチする技術を彼らは有していないのです。
当然、薬物療法で過去のトラウマの記憶をどうにかすることも、現在の科学技術レベルでは不可能です。
一番わかりやすい例では、いじめがありますが、あなたのお子様のいじめのトラウマを彼らが消せるかというと、できないのです。トラウマ治療の技術を持っていないから。
また、実際に、「ある大手の不登校支援団体に数回通ってみたけど、娘のいじめのトラウマを全く治療できず(治療しようともしない)、Wiiで遊ぶだけで何も改善せず、必死で探して不登校セラピーを見つけた」という方が、よくいらっしゃいます。
・専門家はトラウマを解決できない
さらに、実はトラウマ治療の技術は世の中にいくつかありますが、残念なことに、そういった技術を扱える専門家たちですら、実は再発や失敗、フラッシュバックを繰り返しています。
なぜ専門家でもフラッシュバックさせてしまうのか?
それは、「ストレスの記憶が脳の中でどのように保持されているか」を知らないからです。
人間の記憶の保持には3つの法則があり、脳神経系のニューロンの性質とあわせてこれを知らなければ、「ストレスの流れと因果関係」に逆らった治療となってしまうため、再発やフラッシュバックさせてしまうのです。
つまり3つの法則を知らなければ完璧なトラウマ治療はできないのです。
そういった専門家の会合に出席するたび、私は
「ああ、だめだ、記憶の扱い方をまるでわかっちゃいない...」
「そんなアプローチでは再発が目に見えているのに...」
と感じます。
以前、私が使っていたある心理療法技術の専門家たち(みなさんご立派な肩書きや資格をお持ちです)の会合に出席したときには、私のこういった理論を披露し、さらには実演までしました。
しかし出席者はみなポカーンと見ているだけで反応なし。全く理解できなかったようでした。その協会の理事長ですら。
さらにこの心理療法の創始者(アメリカ人)に会い、記憶についていくつか質問したところ、まるでわかっていないトンチンカンな答えが返ってきました。やっぱりダメか。
・専門家はトラウマの本質を理解できない
ところが。
最近、あるお母さんからの無料電話相談で、
「図書館で新井先生のご著書を見つけて、探していたのはこれだ!と思いました。
家に帰って、すぐにホームページを見つけて息子に見てもらったら、
『あ、そうか。記憶のせいでボクは学校に行けなかったのか』
とすごく納得して、それだけで安心したようです。
息子も早くカウンセリングを受けたいと言っていました」
というお話を伺いました。
めでたしめでたし。
ん?・・・これっておかしくないですか?
普通の中学生がすぐ理解できる私の理論が、従来の専門家たちには全く理解できないのですから。
つまり、心理の世界では専門家ほどレベルが低く、アテにならないということです。
それに対して、私は「トラウマの本質は記憶である」ことを早くから見抜き、それを完璧に解決する技術を、実際のカウンセリング現場で鍛え上げてきました。
第一因子の症状に対して、再発や失敗を防ぎながら、根本的な改善をもたらすことができるのは、現在不登校セラピーだけであろうと思います。
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先ほどの私の推測のタネ明かしですが、
女の子が再登校に失敗した原因は?
→なぜならば、お母さんが心をきれいにしようが何をどうしようが、女の子の脳に残る「いじめられた記憶」には何の影響もないからです。
加えて、いじめのトラウマ治療を何も行っていません。
これは非常に多く見られる再登校失敗パターンなのです。
どうすれば解決できるのか?
この記憶の問題を解決するために、私は人間の「五感の記憶の保存」に着目しました。
五感の記憶の保存のあり方を変えることができれば、悪影響のある記憶を、無害なモノに変えてしまうことができるのです。
そこで、記憶の保存のあり方を変える「五感変容メソッド」という特別な技術を開発しました。
学校でのいじめや暴言、暴力、悪口などのトラウマの記憶を変容してあげると、不登校児たちはまるで見えない鎖から解放されたかのように、学校へ再登校しだしたのです。
しかもほとんどが自発的に。
そこで私は、
「不登校の解決は、ストレスの記憶がカギを握っている」
と考え、記憶を切り口にして、さらに研究を重ねました。
そしてさらに研究を進めると、また別の因子が浮かび上がってきました。
(他の因子と区別するために、子供が学校の人間関係(つまり他人)から受けてきた、トラウマやストレスフルな記憶で、不登校を直接引き起こす原因を「第一因子」と名付けます。)
第一因子とは異なる、第二、第三の因子が現れたのです。
その因子の正体は、全く驚くべきモノでした。
なぜお子さんはいじめられるようになったのか?
いくつかのうまくいかなかった事例を深く省みて、
「なぜそのトラウマは生まれたのか、何がそのいじめを誘発したのか、なぜその子はいじめられるようになったのか」
という因果関係の解析に踏み込むと、いじめやトラウマの裏に、非常に複雑な事情や背景が浮かび上がってくるのです。
そして出てきた「トラウマの原因になった背景や事情に関する記憶」とは、
・不登校児の行動や考え方
・親の教え、考え方、接し方
などでした。それらをご説明します。
第二因子
子供の側に属する「先天的な」気質の問題と精神的障害の問題です。
これは周囲の友達とのズレや疎外、いじめ的なストレス(つまり第一因子)を誘発しやすく、ひどい場合は第一因子なしでも不登校を引き起こします。
第二因子には、現在私が確認したモノで
・パーソナリティー障害
・言語と記憶の問題
・消える子供
・低血糖症
の、大きく分けて4種類があります。
これらは医学的・生理学的な先天性疾患まで含まれるため、相当手強いです。
なお、「おまえの心が弱いから学校へ行けないんだ」と言う人がいますが、それは「学校へ行く勇気がないんだ」「苦しみを克服する強さがないんだ」という意味です。この考え方は自己責任論を取り違えています。
私の「気質や性格」に対する考え方とは全く異なっています。
従来の常識でいう「心が弱い」と、私の考える第二因子は、全く異なっています。
第三因子
第三因子は、不登校を直接引き起こす原因ではありません。しかし不登校児にこの因子があると、不登校の解決を著しく困難にしてしまう働きがあります。
第三因子は親(家庭)の側に属する問題です。
幼少期からの、
陰湿・冷たい・否定的・批判的・非難が多い・厳しい(必要以上に)しつけや接し方
子供らしい甘えやわがままを許さない
スキンシップや対話を避ける、あるいはそれらがほとんど無い
子供の身体的欲求を無視する
子供の精神的欲求を無視する
家庭内不和
によって、他人との交流やコミュニケーションあるいは社会的適応力に問題を持つ「愛着障害」という問題を子供に引き起こします。
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愛着障害は、「他人への警戒」「自分の抑制」という、非常にやっかいな症状を子供にもたらします。
これは、両親が子供にとっての「安心基地」「安全基地」になっていないから、その基地から飛び立って他者との健全な交流ができないのです。
もし両親が子供にとっての「安全基地」「安全基地」であるならば、子供はその基地から自由に飛び立って、他者と健全な交流を行えます。いつどう戻ってきても安心して羽を休められるからです。
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この愛着障害の「他人への警戒」「自分の抑制」は、さらに発展して極度の緊張症である「社交不安障害」や「無気力化」などを誘発し、不登校の解決を著しく困難にしてしまいます。
また愛着障害をもつ子供は、いじめを受けやすくなるか、いじめをしやすくなる傾向があることが、愛着理論の専門家によってわかっています。
しかし繰り返しますが、第一因子や第二因子とは異なり、不登校を引き起こす直接の原因とはなりません(虐待や折檻、それらに類する行為を除く)。
不登校の原因は親だ、という考えは理論的根拠も論理性も乏しく、そのような考えと私の第三因子の考えは全く異なります。
従来の常識でいう「親が悪い」と、私の考える第三因子は、全く異なっています。
では第三因子はなぜ、不登校を直接引き起こさないのに、不登校の解決を著しく困難にするのか?
このカラクリは長い間頭を悩ませる難問でしたが、2011年にやっと、ある女の子の病名を調べているときに、親から受けたストレスが不登校の因子となるカラクリに気づきました。
その謎を解くには、不登校の最も厄介で奇妙な性質のひとつ、「パンドラ効果」と、「脳の記憶のメカニズム」、そして「愛着障害と社交不安障害」を知る必要があります。
パンドラ効果とは、私が発見した脳の性質です。簡単に説明すると、以下の通りです。
「不登校が始まると、不登校を直接引き起こした原因ではない、過去のストレスも、不登校を支える要因となる。要は、過去のストレスを詰め込んだパンドラの箱を、不登校が開けてしまう。」
パンドラの箱には、その子供が生きてきたあらゆる負の記憶が詰まっています。家族から受けたストレスも、他人から受けたストレスも、自分がしでかしたことも、あらゆるストレスフルな記憶がそこにはしまい込まれています。
その箱は厳密に言うと不登校が開けるわけではなく、記憶が多すぎて箱に収まり切らなくなって勝手に開くのですが。
人間は当然ですが、無限にストレスに耐えられるわけではありません。
必ず限界があります。
パンドラの箱の大きさは、個人によって異なるストレスの許容量を示しています。
ストレスがたまりすぎて箱からあふれたとき、それが脳にとって危険信号となり、不登校を引き起こします。
さて、箱の中では、一つ一つのストレスの記憶はその「属性や因果関係、古さ」を脳が解析し、すべて関連づけられてゆきます。
関連づけるとは比喩表現ではありません。実際に脳のニューロンが軸索という手を伸ばし合って、関連する記憶を保持するニューロンと物理的に結合し、電気信号(情報伝達物質)をやりとりするのです。
ここで、学校でのトラウマは他者への恐れという対人恐怖を生みます。同様に、家庭で親から受けたストレスは他者への警戒と抑制という愛着障害の抑制面を生みます。
この対人恐怖と愛着障害の抑制面は、恐怖と警戒(緊張)という違いがあるものの、他者に対する振る舞いという点でほぼ同質であるため、脳はこのほぼ同質の結果を生む原因である2つの属性の記憶、つまり「学校のトラウマ」と、「家庭で親から受けたストレス」を関連づけてしまいます。
この2つが独立し合ったものなら良かったのですが、残念ながら性質において関連づけられるために、箱が開いたときには、本来関係なかったはずの「家庭で親から受けたストレス」も、不登校を支える因子となってしまいます。
たとえば第一因子と第三因子の両方を持つ不登校児の、第一因子のみを除去すると、対人恐怖は良くなるが、第三因子によって今度は他人を警戒するようになる(対人恐怖とは少し違う)極度の緊張症「社交不安障害」が現れ、また自分自身に対する強い抑圧も行うようになり(「自分なんてダメだ」)、登校が不可能になってしまいます。
これが、第三因子がある子は、親からストレスを受けたときには不登校にならないが、学校でストレスを受けて不登校になったときに、(第三因子がない子に比べて)不登校の解決が著しく困難になるメカニズムです。
私と、他の治療者たちと決定的に違うのが、この第三因子に対する考え方です。
実は、医師、臨床心理士、スクールカウンセラー、自称専門カウンセラーたちが、「不登校の解決」といっているのは、ほとんどが第三因子の解決のことです。
つまり、「不登校は家庭や親子関係に問題があるのだから、"親子関係の改善""言葉がけの改善""接し方の改善"で不登校が解決できる」、と考えているのです。
ここに、従来の専門家たちの重大な過ちがあります。
彼らの方法では、そもそも親子関係を改善すること自体が難しいと言えます。
なぜなら、親の言葉がけが変わったところで、子供の脳に刻まれた「親の接し方の記憶」「親の言葉の記憶」は、何一つ変わらないからです。
つまり、「親が変われば子供が変わる」は、不登校に関しては真っ赤なウソです。
たとえそういった方法で親子関係が改善されたところで、それで再登校するか?朝の腹痛が治るのか?というと、ほぼ絶望的です。
なぜなら、第一因子が全く改善されていないからです。
(もし第三因子の解決のみで再登校するなら、そのお子さんの家庭ではよほど強烈な養育が行われていたのだろう、と言えますが。。。)
もし子供がこれらの養育によって愛着障害を発症していたならば、従来の方法による改善は非常に困難となります。
第三因子の正しい解決とは、
・親の接し方を改善する、いってはならない言葉、とってはならない行動を親が認識する
とともに、
・子供の脳に刻まれた「過去の親の養育の記憶」を取り除く
この2つともを行う必要があります。
逆に言うと、これが行えるのも、現時点で不登校セラピーのみです。
*以前、どこかのサイトで自称専門家が、うちの不登校の息子が暴力的で..というお母さんからの悩み相談に対し、「思春期の男の子はそういうものだから」と回答していましたが、それを読んだ私は呆れました。「まるでわかっちゃいない...」。
因子の割合ですが、とてもおおざっぱに見て、第一因子4:第二因子1:第三因子2ではないかと感じています。これは、不登校児の中で、第一因子を持つ子が4人いたら、第二因子を持つ子はそのうち1/4、第三因子はそのうち2/4ということです。複数の因子を持つ子も多くいます。
この3つの因子理論によって、従来の常識の間違いを指摘し、整合性を図ることもできますし、なにより不登校全体の構造とメカニズムについて、ほぼ把握することが可能になりました。
不登校の解決に向けて
この3つの因子は、あなたがお子さんの不登校の解決を目指すならば、必ず当ホームページと拙著「不登校セラピー」を読んで理解してください。
これによって、まず「あなたのお子さんがなぜ不登校になったのか、その因子は?」ということについて、掴んでいただきたいのです。
そして、この因子によって、とるべき対策と解決方法を考えていかなければならないのです。
それぞれの因子の解決方法は、大まかにご説明すると、
第一因子
記憶として扱い、五感変容メソッドで解決。手間はかかるが比較的容易。
第二因子
無視できる場合もあるが、できない場合、医学的因子は医療機関で対応し、そうでないモノは原因を慎重に見極めつつ、五感変容メソッドの応用技術で対応。
しかし重度の第二因子は技術的にかなり困難。
第三因子
記憶として扱い、五感変容メソッドで解決。親御様も、ご自身の問題を解決していただく必要がある。ただし第一因子より慎重な解析が必要。
となります。
それぞれ簡単ではありませんが、人間が本気で取り組めば、おそれるモノはありません。
五感変容メソッドの効果は、実際にその場で即確認できます。そしてこれを続けることで、お子さんの表情、行動、言葉、体調などにハッキリわかる変化が現れます。
そして、自発的で安定な再登校へ導くことができます。
この変化は、根本的な改善であり、他で得るのはちょっと難しいモノです。
私の開発した不登校セラピーは、もちろん完全ではありませんし、子供を簡単に変えられる魔法のツールでもありません。
しかし、希望を持って受け続けていただき、またご家庭でも実践されることで、不登校の根本的な改善を可能とします。
世の中に、不登校の解決をうたったところはたくさんありますが、もしあなたが
「今度こそ、我が子に根本的な改善をもたらしたい。そのために、腰を据えて解決に取り組みたい」
とお考えならば、私は不登校専門カウンセリング「不登校セラピー」をお受けいただくことをお勧めします。
実際に、かなり重度の症状を持つような子や、心療内科などでもどうしようも改善できなかった子などで、次々と成功事例を出しています。
結びに
私との出会いが、大切なお子さんの将来を明るく切り拓くことができれば、そしてあなたの不安を消し去ることができれば、これに勝る喜びはありません。





