社交不安障害モデル
先に述べたように、社交不安障害は親の病的な養育から生まれます。
ある成人男性の実例ですが、社交不安障害がどのようなモノかをよく表しているのでご紹介します。
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そのとき私はまだ駆け出しのカウンセラーで、不登校専門となる遙か前のことでした。もちろん「記憶」に対する考えなど持ち合わせていませんでした。
その20代の男性Aさんの症状は手(腕)の震えでした。彼の手は腕から見事に私の目の前で小刻みな振動を続けていました。
原因は、彼の母親でした。
幼少期から彼に病的で陰険で暴力的な言葉の攻撃を続けました。
すると彼は緊張症を発症、それが手の震えとなって現れた、というのです。
母親は、Aさんが成人する頃には攻撃をやめていました。しかし彼の症状は消えませんでした。
もちろんそのために彼は非常な苦労を背負い込んでしまいました。働けないのです。面接でことごとく落とされてしまいます。
他者との関わりもうまくできません。
神経内科での検査は例によって「異常なし」。
私は当時使えるあらゆる技法を使いました。症状に直接焦点を当てたTFTもやりました。
特に、傷ついた子供の頃の自分を癒す「アダルトチルドレンヒーリング」には大きな期待をかけていました。いわゆる心理セラピーの王道です。
そして3回のカウンセリングで彼は「少し良くなった気がする。後は自分でやりたい」と言い、カウンセリングを終えました。
そして年が明けて彼からメールが。
「あれからすぐに手の震えは元通りになりました。結局何も変わっていません。未だに人前には出られません。返信は無用です」
衝撃的でした。
これが社交不安障害です。
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ちなみに「心の癒し」や「アダルトチルドレンヒーリング」などに対して、皆さんはすごく良いイメージがあると思いますが、私は一切信用しなくなりました。おそらく私以外のセラピストがやっても再発続出のはずです。その意味で、現在一般的に行われているカウンセリングやセラピーに対しても疑問があります。
親の病的な養育によって障害を発症したケースで、親の態度が改まれば症状も良くなるケースもありますが、それだけでは良くならないケースもあります。
傷つけられた心を慰めてみても何にもならないのです。親が傷つけた記憶を五感変容しなければ、社交不安障害の根本改善にならないのです。
そして私は「このような失敗を二度と繰り返さないために、根本原因を正確に見極め、根本的な改善を行わなければならない」と強く誓うようになりました。





