学習コミュニケーションタイプ
ここで取り上げる学習コミュニケーションタイプは、誰もがその子としばらく一緒にいればすぐ気づくような明確な学習障害などではなく、「家族もその子自身も担任の先生もほとんど意識しないし気づかない」ような非常に軽度の学習・コミュニケーションの問題です。あるいは高次の脳機能障害とよべるかも知れません。
特徴としては、知能自体は問題ない(たとえば進学校に在籍していたりする)のに、
・単語や名詞を憶えるのが非常に苦手。固有名詞、人名、地名、英単語などすべてを含む。もちろん、努力すれば全く憶えられないわけではない。
・出来事や約束などを忘れてしまう。頼み事や頼まれごと、準備や用事、時には「自分が話したこと」すら忘れてしまい、全く思い出せないケースもある。単に「忘れっぽい」という次元ではない。
・しゃべりが下手。友達同士のテンポの速い会話や、特に内容のないグダグダ話について行けない。
・説明や作文が下手。たとえば
「作文を書かせると文章になってない」
「何か説明しようとすると起承転結がよくわからない」
「何段階かの論理立てた構文を、しゃべる・書くのが苦手」
「何かを尋ねても"うん"の一言で終わる」
「(ケンカやミスなどの)理由を尋ねるとダンマリ」
つまり、「言語と記憶」に一見わかりにくい問題が秘められているケースが多いのです。
また、言い方を変えれば、言語に関する
Read(読み)
Write(書き)
Express(表現、話す)
Receptive(受容、聞く)
に問題があります。
これはDSM-Ⅳ(精神疾患の分類と診断の手引き)による「学習障害(読み書き)」と「コミュニケーション障害(聞く話す)」が、混在しているような状態だと思います。
もしかしたら脳のウェルニッケ野とブローカ野に軽微な機能障害があるのかも知れませんし、言語に関する視覚情報の処理と聴覚情報の処理に、軽微な機能障害があるのかも知れません。
これらは学校で周囲との溝やズレを生み、トラウマを作り出しやすくなります。もちろんトラウマがなければ良いのですが、疎外感や居場所のなさ、居心地の悪さを感じさせることも多くなるようです。
問題は、あくまで非常に軽微であり、なかなか気づかれにくいため(おそらく標準化検査によっても異常なし、障害とは認められないと診断されるだろう)、気づいたときには深刻なトラウマを生みだしており、子供は自分自身を責めているケースが多いことです。
学習コミュニケーションタイプも、先天的なモノと、後天的なトラウマ(親の虐待、歪んだ養育、育児放棄など)に起因するモノがあり、なかなか先天的なモノを見分けるのが難しいところです。





