第三因子 愛着障害
第三因子は、親(家庭)の問題です。
それは不登校の直接の原因ではありませんが、不登校に密接に絡み合い、不登校の解決を困難にしてしまいます。
なお、「不登校は親が悪い」などという非論理的で低次元の議論は私は大嫌いで、そのような内容ではありません。
ここで私が取り上げたいのは、病的な養育です。
病的な養育とは、原因や理由の如何を問わず
・常に否定、非難、批判、拒否する
・すぐ叩く、すぐ怒る
・子供らしいわがままや甘えを認めない
・子供の安心を求める気持ちを無視する、理解できない(しようとしない)
・体罰が多い
・世話人が頻繁に入れ替わる
などを繰り返すことです。
また、親のうつや精神病などによって、最低限の世話しかできず
・親子の温かい交流がない(スキンシップなど親密な関わりがない)
両親の離婚やDV、や祖父母との世代間不和によって
・激しい夫婦喧嘩や暴力などを目の当たりにし、自分の生まれた意味に疑問を持つ
これらがあり、親との間に安定した愛着関係を形成できないでいると、子供は他人や親への接し方が変わってきます。
主に「抑制や警戒」が出てくるのです。
・人見知りや対人緊張が強くなる
・自分の気持ちや感情を表に出さなくなる
その一方で、それらとは相反する「脱抑制」と呼ばれる接し方も出てきます。
これは
・見境無く他人に対して馴れ馴れしくなる
というものです。
この問題を、反応性愛着障害と呼びます。
さて、これらを放置すると、後に深刻な障害を引き起こします。
人の目にさらされる場(社交的な場)において
・極度の対人緊張や人見知り
・嘔吐や手足の震え
などです。これを社交不安障害と言います。
あがり症の深刻なバージョンとお考えください。
社交不安障害が出ると、外出や登校、人前に出ること、働くことなどが困難になります。もちろんコミュニケーションにも大きな支障を来すこととなります。
これらの症状に加えて、「自分はダメな人間だ...」とかなり自分に対して悩み苦しんで、かなり自尊心が低くなっている子供も見られます。
これはいじめなどのトラウマに加えて、おそらく不登校期間中に「何で行けないんだ!」「何を考えているんだ」「やる気がないのか!」「おまえは本当にダメなやつだ!」などと相当攻撃を受けていたケースがあると思います。
社交不安障害は、不登校に先立って症状があらわになるケースは非常に稀です。不登校の第一因子を解決した後か、解決の途中に症状が出てくるケースがほとんどです。
なぜそのような発症のパターンを示すのか、拙著「不登校セラピー」にて記した「パンドラ効果」を用いて説明を試みると、うまく説明できます。
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失敗事例をご紹介します。
男子中学生O君の不登校は、お母さんにとって原因がよくわからないものでした。しかし、不登校セラピーのHPを見たところ、思い当たる学校と家庭教師から受けたトラウマの節がいくつかということで、カウンセリングを希望されました。
お母さんがおっしゃるには、父親は家庭ではうつ気味、母親(お母さん)が支配的とのこと。
母さんは私の目の前でO君にキツい言葉遣いをします。しかしO君は反応しません。
そこはあまり気にもとめず記憶除去を進めていきますが、いまいち目覚ましい改善はありません。
ですが4月の新学期に入り、彼は数日間フルで登校しました。
よし!と思ったのもつかの間、彼はまたすぐに行かなくなってしまいました。
そこから記憶除去を進めるものの、改善は見られず、逆にカウンセリングが困難になっていきました。
彼は吐くのです。電車に乗ってカウンセリングに来るときに吐くのです。さらに、学校へは時折行くものの物陰に隠れて人目を避け、部活にも行くのですが人には会おうとしません。
お母さんはしばしば「ホントは行く気がないんじゃないんでしょうか」とメールで伝えてきます。
しかも、幼稚園の頃にあった出来事に対してどうも複雑な感情があったらしく、今から考えると第二因子もあったのではないかと思います。
結局カウンセリングには吐いて来られず、それが最後になりました。
当時私は「学校のトラウマはすべて消したのになぜこのような症状があるのか」が全くわかりませんでした。
今は明確にわかります。このような失敗を繰り返してはいけないのです。





